2024年11月27日
2024年度 第6回 情報数理科学研究所 所内研究紹介
- 話者:山田 敏史 助手
- 題目:陽子崩壊とニュートリノで探る大統一理論
- 概要:素粒子の「標準模型」は、これまでの加速器実験や精密測定実験の結果のほぼ全てを正しく説明する成功した理論である が、ニュートリノ微小質量や U(1) ハイパーチャージの量子化などの説明不可能な現象も存在する。こうした謎を解決する「標準模型を超える物理」の有力候補が、大統一理論である。大統一理論は、安定なはずの陽子が極めて稀に崩壊する「陽子崩壊」を予言する。また、SO(10)大統一理論は、3種類のニュートリノが時間経過とともに入れ替わる「ニュートリノ振動」や、「ニュートリノを出さない二重ベータ崩壊」の頻度についても予言能力を持つ。本発表では、素粒子の基礎、標準模型、大統一理論について解説したのち、大統一理論に関する最近の研究成果を紹介する。