2024年12月04日
2024年度 第7回 情報数理科学研究所 所内研究紹介
- 話者:酒井 一博 教授
- 題目:E_8格子の数理 〜数学への「応用物理」〜
- 概要:同サイズのn次元球をn次元空間に最も効率よく詰めるにはどうしたらよいか?この問題は球充填問題として古くから知られる難問であり、n=1,2,3,8,24の場合にしか解けていない。n=8の解をなすE_8格子は、数学の様々な場面に現れるほか、素粒子の基本相互作用の統一理論の候補である超弦理論や、情報理論における誤り訂正符号とも密接な関わりがある。今回はこれらのつながりについて紹介する。時間が許せば、E_8格子の自己同型群の下で不変なヤコビ形式(楕円関数の仲間)のなす環の構造を決定した最近の結果についてお話しする。