2025年08月04日
2025年度 第4回 情報数理科学研究所 所内研究紹介
- 話者:粕谷美里 助教
- 題目:“わかってくれる”技術から“わかりあえる”関係へ:生体・ふるまい情報に基づくインタラクション設計
- 概要:人と人、人とシステムの関わり方が多様化する現代において、「相手を理解し、関係を築く」かかわりそのものが、新たな段階に入りつつあります。本研究では、視線・脳波・表情・動作といった生体・ふるまい情報をもとに、個々の内面状態を推定し、それに応じた「わかってくれる」・「わかってあげられる」「わかりあえる」インタラクションの実現を目指しています。遠隔育児支援、子ども同士の遊びを通じた遠隔交流、多世代コミュニケーション、運転行動変容支援など、文脈や対象に応じてロボットや支援システム、インタラクションを設計・評価しています。本発表では、信号処理や状態推定アルゴリズムといった工学的手法に、主観評価や心理的変化の分析といった人文社会的視点を融合し、定量データと主観評価をつなぐ異分野横断型のアプローチを通じて、次世代の人間理解と支援技術の社会実装を目指す研究の全体像をご紹介します。